00-実践する、コツコツと、少しづつ

@shokos さんのブログのすすめからバトンを頂き、新卒準備カレンダー 2011春のエントリーをお届けします。自分がブログを書き始めたのは2007年です。ブランクはあるものの、業界経験は約11年ですから、まあ半分くらいの期間はブログを書いていることになります。先日まで、きのこ本関連のエントリーを毎日書くという目標の下、なんと106日間継続を達成しました。

他の方々が素晴らしいエントリーを書いているので、いまさら「これやった方がいいよ」的なエントリーでは面白くありません。なので、自分は「どうやってやるの?」的な方向で、これからIT業界を支えていく新社会人へ向けてのメッセージとしたいと思います。

お前、誰よ?

札幌在住のJavaプログラマです。
5-6年ほど前までは都内であちこちのプロジェクトに首を突っ込んでは火を消すような立ち回りをしていました。最初に入社した会社については2ヶ月ほどで退職*1し、5-6年ほど登録型の派遣プログラマをしてました。その後、札幌に移住し、幾つかの会社を転職した後、1年ほど前から株式会社エスプランニングにてお仕事をしています。業界経験としては11年ほどになり、6割くらいはJavaのウェブアプリ、他にはRailsDjangoなどウェブ系、Swingなどのスタンドアローン系などをやってきました。最近は技術的な部分よりも、要件定義・基本設計・テストなど開発プロセス全体や教育などを意識して仕事をしています。
仕事以外では札幌Javaコミュニティを主催したり、いくつかのオープンソースを公開しています。Twitter@shuji_w6e になります。

エンジニアとして、自分の価値を高める5つの行動

自分のエンジニアとしての転機は5−6年前、札幌に移住してきてからです。それまでは技術的な所には興味もありましたが、勉強会への参加やブログなどには興味があまりなく、本を読む事と仕事の中で得たノウハウの自分なりの整理くらいしかしてませんでした。意識が低かったといえばそれまでですが、今考えてみると勉強方法が解らなかったと思います。
札幌に来て、幾つかの勉強会に参加し、ブログを書き始め、Twitterなども通じて色々な人と交流していく中で、エンジニアとしてどうしなければならないのか?という事を自覚しはじめた気がします。その後、札幌Javaコミュニティを立ち上げたり、オープンソースのプロダクトを作ってみたり、きのこ本で無茶な企画をやってみたりして、今に至ります。
そこで、新社会人にむけて、自分の価値を高める5つの行動とその実践方法をまとめました。少なくともこのブログを読む人にとっては、当たり前なのかな?とも思いますが、よろしければ参考にしてください。

本を読んで先人の英知を学ぶ

世の中には「名著」と呼ばれる本がたくさんあります。Java界隈では、「プログラミング言語 Java」「Effective Java」や「リファクタリング」あたりは必読ですし、「達人プログラマ」「プログラマが知るべき97のこと」などのプログラマとしての規範や心構えに関する名著も多々あります。これらの名著は名著ゆえに、先人のノウハウが凝縮されています。その本が出版される前であれば、苦労して習得していた技術や心構えがまとまっているのです。つまり、名著を読むということは学習をする上で大きなショートカットになるわけです。

ブログやTwitterなどで新鮮な情報を得る

IT業界は半年ー1年というサイクルで技術のトレンドが変化することもある、変化の激しい業界です。5年以上新しい事を身につけていなかったならば、まったく使い物にならなくなってしまう事もあります。なので、常に新鮮な情報を耳にしておくということは最も大切なことです。
したがって、日々、先輩エンジニアのブログをチェックし、記事は読まなくとも色々な人がどんな技術に興味を持っているかを確認してください。これは、時代に取り残されないために必要不可欠な事です。社内で毎日同じ事をやっているだけでは数年で成長は止まります。

ブログやTwitterなどで情報を発信する

名著やブログなどで情報を得ることは最初のステップです。そして、次に行わなければならないこと、それは情報の発信です。ちょうど前のエントリーである@shokos さんのブログのすすめでブログを書く理由が書いてありますから、読んでみましょう。また、ソフトウェア開発会社に入って学ぶべき最初の事で書きましたが、ブログを書くということは、文章を書く訓練になります。読み手に読みやすいような文章を書く事は、プログラマでも重要な事です。

社外の人との繋がりを持つために勉強会に参加する

技術的な交流がない会社、社内でも活発な議論がある会社、どちらにせよ社外に繋がりを持つため、勉強会に積極的に参加するべきです。基本的には会社は人が流動的ではありません。そして、色々な技術を扱うことはあまり多くありません。すると、2−3年もいると、その会社から学べることはなくなってきます。また、一番怖いのはその会社でのやり方・考え方・スキルレベルなどが全てであると勘違いしてしまうことです。世界は広いものです。社外の勉強会に出てみれば、色々なエンジニアが、様々なバックグラウンドで、色々な事を考え、色々な事にチャレンジしていると、気付く事でしょう。そうやって、外部から刺激を受けることで、自分の中でのモチベーションが高まります。また、自分の会社に絶望したとき、勉強会で知り合った人とのコネクションは大切な転職への切符となることも少なくありません。社外の空気に触れ、自分の世界を作らないようにすることは、社内に活発な議論がある会社でも大切な事です。

IT系の大きなイベントに参加する

これは主に地方のIT業界での新入社員に勧めたいことですが、1年に1回は東京の1000人規模の人が集まるIT系のイベントに参加してください。地方の勉強会やイベントでは、参加者は数名から数十名、大きめのイベントでも200名とかそんな規模です。参加者も知った顔やゲストとして呼ばれた人といった形になります。それはそれで良いのですが、東京での大きなイベントに参加すると、技術的な部分も刺激がありますが、それ以上に参加者の数と層の広さから自分の小ささを痛感します。定期的に大きなイベントに参加することで、自分がIT業界の中でどんなポジションにいるかについて考える機会となるでしょう。

5つの行動を実践するための唯一の方法

5つの新人エンジニアが行うべき行動を紹介しました。しかし、これを実践するのはなかなか難しいと感じるかもしれません。しかし、それは最初から完璧を求めているからに過ぎません。重要な事は、「コツコツと、少しづつ、実践する」ことです。
IT業界で1人前になるには、最低でも5年、おそらく10年かかるでしょう。さらに、そこで止まることは許されず、生涯にわたって学び続ける必要があります。自分のペースを見つけられるまでは特に、無理をして背伸びをしても、負担になるだけでいい結果になりません。受験勉強や仕事のようにゴールや締め切りが決まっているならば焦る事も必要です。しかし、IT業界での学習には明確な終了がありません。最初から遠いゴールを設定すると、あっという間に息切れします。
なので、到達可能な小さなゴールを立て、そこに向けて1つ1つ小さなステップを刻むことです。例えば、週に1回はブログを書いてみるとか、今月はこの本を読んでみるとか、そんな小さな事からはじめてみてください。テスト駆動開発でもそうですが、最初から大きな事はやらず、小さな事を積み重ねることは不安を取り除きますし、実践も簡単になります。そして、達成感があります。達成感はモチベーションに繋がります。

実践する、コツコツと、少しづつ

さあ、今日から5つの行動をはじめましょう。手始めにトラックバックでこのエントリーの感想を書いてみませんか?

次のエントリーは id:takahashim さんです。

*1:通勤時間3時間の場所への転勤が原因