88-コードは生涯サポートするつもりで書く

プログラマが知るべき97のこと」の88個目のエピソードは、コードを書く時の心構えに関する話です。このエピソードでは、きのこ本では97の大切な事が書かれているが、共通して言えることは「気持ちの持ち方、さらに言えば、取り組む態度」が重要であると書かれています。テストの重要性も、コードのコメントも、全て重要ですが、自分のために行うだけでは、実行することが難しいと言えます。気持ちの持ち方、態度をかえるコツは次のようになります。

いつも「このコードは生涯、自分がサポートし続けなければならない」と思ってコードを書く。

コードもドキュメントもバグ票も、自分が書き上げてそれでおしまいと言うことはほとんどありません。それらは、いずれかの段階で、自分の手を離れ、誰かの手に渡っていくこととなります。もし、自分で書いたコードを生涯面倒見なければならないとしたならば、過去に書いた自分のコードに苦しめられる人は多いでしょう。環境的な問題が理由かもしれませんし、自分に技術的な不足があったかもしれません。書いた頃は満足できていたかもしれませんが、今見たならばとんでもない間違いに気付くかもしれません。現実的には少ないかもしれませんが、過去のコードの責任は負いたくないものです。
しかし、過去に自分で書いたコードに責任を持てないとしたらならば、プロとして失格です。プロであれば自分の作ったものについて責任を負うべきですし、自分が恥ずかしいと思うようなコードをリリースしてはいけません。一方で過去の自分から今の自分に至るまで、様々な事を学び、成長しているはずです。どうしても過去のコードは怖いものなのです。
我々は自分の書いたコードに生涯責任を負うべきです。少なくとも書いたときの技術力では十分な品質のコードを書いたと言えるべきです。そして、今はその時よりも技術力は高くなっているが、書いたときも充分に学んでいたと確信できる必要があります。そう思えるようになるまでプログラマは学習し、自分を高めていかなればならないのです。

プログラマが知るべき97のこと

プログラマが知るべき97のこと