北海道WEBコン FESTA 2008

北海道WEBコン FESTA 2008に参加してきました。今回はアドビ特集って感じで各種製品の新バージョンの紹介がメインという感じです。自分は業務アプリ側の人間なんで、消費者向けウェブサイトとかの構築になるとやや範囲が外れる話題ではあります。今回はAIRの話もあったり、Webデザイナ側のコミュニティにもリンクが欲しいな、という感じで参加しました。

感想としては前々からいわれてはいた話ですが、デザイナとプログラマの役割分担に関して考えさせられるという思わぬ収穫を得ました。

業務アプリを作成する側の話題の1つとして、「デザイナとプログラムの分業」というものが叫ばれていた経緯があります。プログラマ側の視点で、以下にコードが組み込まれるHTMLとデザイナがデザインするHTMLを相互運用するか、という話題です。Javaの世界では、元はJSPスクリプトレットと呼ばれるJavaのコードを埋め込む方式がとられていましたが、デザイナでも理解できるようなHTML風のタグで繰り返し処理などを表現するタグライブラリが生まれています。その他にも如何にヘッダやフッタなどの共有部分を再利用するかなどのテンプレート技術も発達してきました。
ところが、画面構成が比較的に簡単な業務アプリであればいいですけど、消費者向けの見栄えが重要視されるサイトだと、デザイナが提示したデザインがすべてであったりします(それをプログラムに落とせないようなハメになったことも・・・)。また、プログラマはデザイナが提供したHTMLをそのままプログラムに展開することも難しく、後から変更があったときに修正するのも大変です。このあたりの問題っていまだに解決している様子はありません。

これを逆にデザイナ側の視点で考えると、プログラミングは基本的に未知の領域であり、「よく解らないもの」という感覚が多いと思います。実際に、「プログラミング上で困るので、こんな風に作って欲しい」みたいな提案をしたことは何回かありますが、「難しいです」という感じで実現することはありませんでした。まあ、デザイナからすれば、モックアップを作り、クライアントと打ち合わせ、それをHTMLに変換するところまでが仕事ですから、仕方ないこともあります。

結局のところ、どちらも歩み寄る姿勢がまだまだ足りない、と思います。そんな中で、今回のセミナーで聞いたDreamweaverC4の新機能にはびっくりしました。
- Subversionによるバージョン管理機能
- ライブビューによる動的なビュー確認機能
- HTMLから依存しているCSSを簡単に表示する機能
- JavaScriptのデバッカとライブビュー
どれもこれも、今までのデザイナにはそれほど「おおっ」って機能ではないように思えます。むしろ、そんな機能があるならば開発環境の1つとして(お金が許せば)欲しい、と感じました。しかし、デザイナが中心の会社にSubversionと言っても通じないのが現状です(逆に開発オンリーの会社にCSSの云々を言っても通じないこともあります)。

逆にこれからの時代では、開発側とデザイナ側がどれだけ他方に理解があるかは重要な要素になるのではないでしょうか?デザイナは開発のノウハウまで知る必要はありませんが、どのように開発が行われているかを知ることが重要です。当然ながら逆も然り。お互いの領域を効率よく知ることでお互いに気持ちよく仕事ができることが理想かな、と思います。

最後に提案ですが、デザイナコミュニティでは、開発者向けの簡単なデザイン勉強会を開催し、開発者向けのコミュニティではデザイナ向けの簡単な開発勉強会を開催してみませんか?実際には出張講習みたいな感じで、コミュニティがクロスしていくと面白いと思います。