64-プロのプログラマとは

プログラマが知るべき97のこと」の64個目のエピソードは、プログラマが知るべきことに関する話です。

プロフェッショナルなプログラマの最大の特徴は「自分が責任を取る」という態度、責任感です。プロのプログラマは、まず自分のキャリアに責任を持ちます。責任の取れない見積もりやスケジューリングは決してせず、作る製品の質にも責任を持ちます。ミスがあれば、必ず自ら対応します。他人に責任を押しつけるようなことは一切しない、それがプロです。

このエピソードは一言一言が重く響きます。「プログラマが知るべき97のこと」の中で最も大切で基本的な心構えです。他のエピソードもそれぞれ重要な事が書かれていますが、すべてはこのエピソードに繋がってきているのではないでしょうか?
プロであることはどういうことか考えると、スキル・プライド・拘り・品質などをあげる人が多いのでしょう。勿論、それらもプロとして重要な要素です。自分はその中でもプライドと品質が重要な部分と考えていました。しかし、このエピソードを読んでからは、はっきりと「責任」であると答えます。
プライドや品質に関しても重要です。しかし、プロとして仕事をしていくのであれば、納期や予算など何処かで妥協するシーンがあります。そんな時に品質に拘りつつ付けて納品できなかったり、納品はしたものの品質が酷いものであったりするならば、プロの仕事ではありません。バランスが重要であるということは解ってはいるのですが、自分を納得させながら仕事をしてきました。
しかし、それらのモヤモヤはこのエピソードで道が見えたと感じました。プロのプログラマとしてとるべきは、「責任をもって仕事に臨むこと」なのです。「やる」と言ったからには例えどんな事があろうとやり遂げる、それだけの事だったのです。それは、根性論で「やる」という事ではありません。自分の判断で「やれる」と判断したものに対して責任を持ってやり遂げるという事です。それだけの事ですが、決して簡単な事ではありません。
責任を持って「やれる」と宣言する事は覚悟の必要な事です。初めから無理な事を「やる」と宣言するのは無謀で愚かなことでしかありません。責任を持って「やれる」と判断する為には自分とチームの力量を正確に知る必要があります。日々の学習を積み重ねスキルを高めていかなければ「やれる」レベルは高くなりません。予期せぬ問題や不測の事態をリスクとして管理し、リスクが現実のものとなったとしても適切に対応し、完遂しなければならないのです。プロジェクトが失敗したならば腹を切る覚悟で「やる」と宣言するという事です。
最後にこのエピソードで書かれている心がけを箇条書きに引用しておきます。

・キャリアに責任を持つというのは、自分の力で自分の価値を高め、成長していくということです。
・プロのプログラマは、自分の書いたコードに責任を持ちます。
・プロのプログラマはチームプレイヤーです。一人一人が自分の仕事だけでなく、チーム全体のアウトプットに責任を持ちます。
・プロのプログラマは、バグリストが一定以上の規模にならないよう、常に注意を怠りません。
・プロのプログラマは、絶対に、間に合わせのいい加減な仕事はしません。

自分が「プロのプログラマ」であると自信を持って言えるようになる為、これらの格言を心に刻み、修練していく事を誓います。

プログラマが知るべき97のこと

プログラマが知るべき97のこと